岡崎律子通信 Sincerely yours, vol.5 1996 spring |
こんにちは。漫画家の蛭子能収さんという人は、本当にケッサク。今日も、蛭子さんがタヒチやトンガを訪れる、というテレビの旅行記を見ていて、もう何度もお腹を押さえて笑ってしまいました。
あいかわらずテレビも見ている私ですが、次のミニアルバムの準備もしています。2月末から3月にかけてがレコーディング。久しぶりに、元気で前向きな気持ちがやって来たので、よかったなと思い、はりきっています。
そこで考えた「前向き、後ろ向き」ということ。"前向きにね"って、みんな言いますね。私もよく周りの人から言われます。時々ウンザリすることも。
事実(現実)は、ただそこに在って、結局その時の自分の心の状態が、受け止めかたを決めるのだと思ったのです。
たとえば、何か事件が身にふりかかったとして、元気な時ならば "よし! これも勉強、勉強"と思い、気が沈んでいるときだったら、 "もう、この世の終わりだ…" となってしまう。軽く考えすぎてもいけないし、必要以上に重大にとらえすぎるのもよくない。要は、"ありのまま"を、まっすぐに受け入れられればいいのでしょうね。(むずかしい事ですけど。)
ちょっとチクリ!と思い出す事があります。その頃、大好きだった人と、なんだかうまくいかなくて、本当にうまくいかなくて、自分のせいにして、相手の人のせいにして、運命(?!)のせいにもしてみた。あんまり毎日悲しむので、私は悲しむのが好きなのか?と思ったほどでした。
♦心の穴 泣いて泣いて
もう死ぬかと思っても
時が癒すよって本当だった
どんな涙もいつか乾くね♦
希望は必ずあると思う、いつでも、どこにでも。あれこれと心配しているよりも、次のいい事を考えて動き出すほうが、時間をムダにしないみたいです。そう考えると、やっぱり「前向き」はいい事かも。
と思っていたら、知っていますか?
「後ろ向きでOK!」という歌があって、"後ろ向きでOK、長い目でみたらこっちが本当かもよ〜"なんて言うんです。まあ、物事にはいろんな見方があるということ。私もこの歌には思わずニンマリしてしまいました。
こからも、年下の人は"オー、大人だなあ"とみてくれるかもしれないし、年上の人からは"いやいや、まだ、青いなあ"などと思われたりしながら、私は私の目から見た、そのとき思うことを形にしていくんだと思います。年令や男女という事に関係なく、通じあう人と通じあえる、という希望は、日常でも、歌についても、いつも持っています。
ちょっと嬉しくなっちゃうものや、心にぽっと何かをともすようなものを目指していたいです。 この春、あなたにも、そういういいものがひょいっと、いくつも現われますようにね。 岡崎律子
P.S.免許更新の講習に行きました。ああいうスライドに蛭子さんが出演してくれたら、面白そうだ。 |
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